通勤電車

並みの勤め人なので、ラッシュの時間に電車に乗る。
ラッキーなのは地上を走る電車なので景色が見えること、そして混雑車両とは逆方面に乗れること。
座れるし、寝られるし、ぼーっとできるし良い環境だ。だけど毎日同じ電車に乗りながらふと思う。色んなところに行けたり自分のペースで仕事ができたり、そういう仕事ってうらやましいなあ。


例えば営業マン、記者、自営業。自分の足で開拓して、人と会って話をする。ある意味でのストレスは溜まるのだろうけど、わたしにはとても眩しく思える。
あるいはデザイナーやアーティストだったら。ひとところに居たとしてもその人自身から何かが創造されてゆく。創り出したものから誰かとつながる。とても素敵だ。


わたしは毎日同じ電車に乗って、同じ職場に行き同じ人に会う。気疲れはするけれど人間関係はうまくやっている。こういう働き方をすることで、安心する面もあるのかもしれない。つまらなくても単調でも、そこに自分の居場所がある。必ず会える同僚がいる。休めば必ず誰かに気にかけられる。


こういう働き方は古いような気もする。ぎゅうぎゅう詰めに人が乗り込む向かいの電車を眺めながら、そう無理して皆で同じ方向を目指さなくっても良いんじゃないのという気もしてくる。技術が発達したからそこに居なくても仕事ができるようになっているはずなのに。
今は無理なく通って仕事ができている。だけどゆくゆくはもっと頭を柔らかく、働くということを考えられるようになりたいなあと思うのです。