大人言葉

大人って何歳からだろう。
世の中には妙に大人びている小学生もいるし、年齢を重ねただけで中身は子どもだなあっていう60代もいる。同じ人でも、どこで何をしているかで変わってくる。


何をもって大人とするか、色んな尺度はあるだろうけど、ひとつわかり易いなと思うのが言葉だ。
例えば「ごめんなさい」じゃなくて「恐れ入ります」、「そうなんですか」じゃなくて「左様でございますか」、「できません」じゃなくて「致しかねます」。


こういう言葉は文字にすると何だか角ばっていてとっつきにくい。
それに、あんまり若い人が使っていると、身になじんでいないようにも思ってしまう。
それにもちろん言葉のTPOもある。仕事でやり取りをする取引先なんかが相手ならよいけれども、いつも顔を合わせる職場の人に使うのは違う。


使うべきときに相応の相手に、考えた風じゃなく自然に、こういう言葉が出てくる人は大人だなと思うのだ。


わたし自身は、大人言葉を使うこともあるし、使えないこともある。
仕事の電話で初めて話す相手には使える場合もあるし、背伸びしているように見られたら恥ずかしいなと躊躇してしまうこともある。
少しやり取りをした仕事相手には、親しみを持ってもらうために敢えて使わない場合もある。


今すぐ使えるようにならなくても良いのかなと。
年齢や経験を重ねて、大人言葉も似合うように成長したい。


ちなみに、仕事や電話で必要以上に高くなる声は、男女問わず嫌いだ。
内容よりも印象が、キンキンと頭に響いてしまう感じがして。
そんなに可愛い子ぶらなくても、そんなに下手に出なくても、話の内容で誠意や人柄を伝えれば良いのに。と思ってしまう。
しっかりとした地声で丁寧に話している人は、格好いいし信頼できるなとも感じる。